検察側の戦略:Caroline Ellisonの個人メモがFTX元CEOのSam Bankman-Friedに対する重要な証拠となる

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8月14日にニューヨーク南部地区連邦地裁に提出された書類の中で、検察側は「Things Sam is Freaking Out About」と書かれたメモを含む、Caroline EllisonのToDoリストやメモを証拠として提出する計画を述べています。

FTXの元CEOであるSam Bankman-Fried氏に関する訴訟は、検察側がFTXの関連会社であるAlameda Researchの元CEO、Caroline Ellison氏の個人的な文章を刑事裁判の証拠として利用する意向を明らかにしたことで、新たな展開を見せています。

検察側は、Sam Bankman-FriedとEllisonとの間で交わされたSBFの事業に関する話し合いを要約した「Things Sam is Freaking Out About」と名づけられたリスト(事業上の懸念、資金調達、Alamedaの取引ヘッジ、ヘッジファンドに関する否定的なマスコミ報道、FTXとのつながりなど)を取り上げました。

「政府は、Ellisonが陰謀の活動を記録していた手書きのメモやデジタルメモを証拠として提出するつもりだ。」と書類では述べられています。

「例えば、Ellisonは共謀者たちとの会合で、Alamedaの財務状況とFTXに対する負債などについて話し合った際にメモを取っていた。」

検察側によると、これらのメモは伝聞として認められないものではないといいます。彼らは、Alamedaの元CEOが、提供された情報を記録し、陰謀における彼女の役割を果たすために、これらのメモを作成したと主張しています。

Caroline Ellisonが認めた利用者資金の不足: FTXとAlameda破産申請前の秘密録音が明かす懸念事項


Alamedaの従業員が2022年11月9日、FTXとAlamedaが破産申請するわずか48時間前の全社会議中にEllisonを録音した音声があります。

Ellisonの言葉を借りれば、Alamedaは「オープン・ターム・ローンで多額の資金を調達し、流動性の限られたさまざまな投資に活用していた。」2022年の仮想通貨の暴落によって、この状況はさらに悪化しました。

Ellisonは、「これらのローン回収に対応するため、FTXで多額の資金を確保しなければならず、その結果、プラットフォーム上のユーザー資金が赤字になった」と、会議の内容を振り返っています。

提出された書類には、EllisonがSBF、同取引所の共同設立者でCTOのNishad Singh、エンジニアリング・ディレクターのGary Wangとこの問題について話し合ったことも記されています。

ある会議中、Alamedaの職員がEllisonに、FTXの利用者資金の赤字について知っている他の人について尋ねました。

Ellisonは、「ええ、つまり、Sam、Nishad、Garyと話したと思います」と答えました。

FTXの共同設立者であるGary Wangと、同取引所のエンジニアリング・ディレクターであるNishad Singhは、詐欺事件での罪を認め、検察を支援しています。

別の従業員は、FTXのユーザー預金を利用するという選択についてEllisonに質問しました。

エリソンの返事は「うーん……。サムだと思う」でした。

検察側は、Bankman-Friedの容疑に関連する証拠の提出を要求しています。

これらの行為には、無名の銀行に対する虚偽の陳述、凍結されたAlameda口座に関する中国当局者への贈賄、取引所におけるFTXトークン(FTT)の操作、債権者への支払いの選択的優先順位付けなどが含まれるとされています。

Bankman-Fried側の弁護士はこれに対し、8月14日に申し立てを行いました。7月1日以降に入手した証拠の除外を求めています。

弁護側は、検察がWangのノートパソコンの中身やEllisonとの暗号化されたTelegramのチャットなど、具体的な情報を速やかに提供しなかったと主張しています。

弁護側は、こうした遅延が公判準備の妨げになったと主張しています。

Bankman-Friedはブルックリンのメトロポリタン拘置所で10月に予定されている裁判を待っています。

Ellisonの日記の一部をニューヨーク・タイムズ紙にリークしたとの疑惑により、裁判所は保釈を取り消しました。