ロシア中銀、CBDCデジタルルーブル導入に対し慎重姿勢|2025年以降か

Shunsuke S.
| 2 min read

ロシア中央銀行、デジタルルーブル早期展開に慎重姿勢

ロシア中央銀行はこのほど、自国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルルーブルの導入に対し、慎重姿勢を示した。流通開始は、2025年以降に先送りとなる見込み。同銀報道部が国営タス通信に伝えた

なお、ルーブル円相場は、11月半ばよりルーブル安・円高が進行している。日本銀行の植田和男総裁による発言を受け、急速なドル安・円高が進行したドル円相場に連動したかたちだ。ロシア中銀の発言は今後、ルーブル円相場にも影響を及ぼす可能性がある。

ロシアのCBDC、デジタルルーブルとは


CBDCは各国が検証に取り組んでおり、日本銀行も6月、デジタル円の試験運用を開始したばかり。国営タス通信によると、ロシアのCBDCデジタルルーブルは、2024年末まで試験運用が継続される。同通貨はロシア中銀が普及を目指すCBDCで、取引効率が高い次世代型の暗号通貨。高速かつ低手数料の決済が可能なことから、景気刺激策としても期待されている。

ロシア中銀はCBDC普及促進に向け、国民をデジタルルーブルを給付する予定。給付金詐欺や反社会団体による不正利用を防ぐ対策も同時に行う。国民が同通貨で手数料無料の個人間(P2P)送金を行えるようにすると改めて表明している。

また、デジタルルーブルは、国際送金やクロスボーダー取引の決済手段としても利用できる。企業間取引の場合、送金制限が緩和される一方、受け入れる企業は0.3%の手数料を支払う必要がある。

ロシア中銀は「企業に対する手数料は最小限のものだ」と強調。アラブ首長国連邦(UAE)はデジタルルーブル採用に乗り気で、ロシアと決済システムの導入に取り組んでいる。

CBDCデジタルルーブルをめぐり対立するロシア中銀と財務省


経済効果が期待されるデジタルルーブルだが、試験運用の規模は未だ限定的。参加者600人という数字は、国家プロジェクトとしては控えめと言える。

デジタルルーブルの試験運用は、参加者の数が限られている。〔中略〕来年は増える予定だが、規模は限定的だ。

ロシア中銀広報担当者は「試験運用は少なくとも2024年末まで続け、必要に応じて延長する。デジタルルーブルの流通はその後のことだ」と述べている。

一方、同国のアントン・シルアノフ財務相は「2024年にははCBDCウォレットで支払い可能になる」と発言し、2024年のデジタルルーブル流通開始を示唆。ロシア中銀の発表と矛盾している。

両者はこれまで、暗号資産(仮想通貨)の法規制をめぐってしばしば対立してきた。規制緩和に傾く財務省に対し、ロシア中銀は全面的な禁止を求めている。