イーサリアムは省エネ仮想通貨|英ケンブリッジ大学報告

Shunsuke.S
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ケンブリッジ大学「イーサリアムは省エネ資産」|仮想通貨ニュース

英ケンブリッジ大学によるとこのほど、イーサリアム・ブロックチェーンの消費電力は、米決済大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)が金融業務に消費する電力と比較し、28倍少ないことが明らかとなった。イーサリアムは、分散型アプリケーション(DApps)やスマート・コントラクトを構築するためのレイヤー1ブロックチェーン。暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)は時価総額第2位のアルトコインで、同ブロックチェーンのマイニング報酬として獲得することも可能。

仮想通貨マイニング(取引データをブロックチェーンに保存する作業を行い、その報酬として仮想通貨を得る行為)は、個人が実行するには難易度が高い。日本では東京都に拠点を置くAIスタートアップ「ゼロフィールド」などが専用マシンを提供している。

イーサリアム、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)移行で省エネ達成


報告書によるとイーサリアム・ブロックチェーンの年間電力消費量は7GWhで、アメリカン・エキスプレス(202.73 GWh)やドイツ銀行(437GWh)よりも大幅に少ない。

ケンブリッジ大学は今回、動画視聴サービスNetflixや宿泊サービスAirbnbなどオンラインサービスが消費する電力量についても比較調査を行った。同報告書では「直接的な比較はできない」と結論付けているが、電力消費におけるイーサリアムの優位性は明らかだ。

イーサリアムの年間消費電力は、推定ベースでエアコン676台分。その他、比較指標として家庭消費電力(1958世帯分)や米テスラ製電気自動車(EV)の走行時間(約2700万キロ)などを紹介している。

ケンブリッジ大学の報告書を紹介するツイート

イーサリアム・ブロックチェーンは従来のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)方式から高効率のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)方式へ切り替わったばかり。

PoWは、PoSよりもはるかに多くの電力を消費する。PoSがエネルギー効率で優れるのは、ブロックチェーン上の順序決定の仕組みが異なるため。PoWが消費電力量に基づく方式であるのに対し、PoSは保有する仮想通貨の数量や割合に応じて、マイニングの権利が付与される。

イーサリアム・ブロックチェーンは、取引検証の条件として最低32ETHのステーキング量が必要。日本製マイニング機器の登場により、国内でも個人間のマイニング事業が増加する可能性もある。