エルサルバドル、ビットコイン(BTC)急騰で資産倍増へ

根津栄作
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エルサルバトルのモニュメント

中央アメリカ最小国のエルサルバドル。ビットコイン(BTC)投資で世界有数の富裕国になるかもしれない。日本との関わりも深いエルサルバドルだが、2021年9月に世界で初めてビットコインを法定通貨として受け入れた。

その後、2022年11月には国家政策として毎日1BTCを購入することが決定。ナイビ・ブケレ大統領に批判の矛先が向けられるなか、エルサルバドル保有のビットコイン(約2,000BTC以上)は現在価格で1億5,000万ドル以上と評価されている。

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エルサルバドル、世界有数の富裕国に?


中米で最も人口密度の高い国でもあるエルサルバドル。ブケレ大統領は、国保有の膨大なBTC資産を売却する予定はないと述べている。ビットコインの半減期(トークン流通量の削減)が近づくなか、BTCの価格上昇はエルサルバドルに莫大な富をもたらす可能性も。

専門家の予想では、将来的にはエルサルバドルは世界有数の富裕国になる可能性がある。シリコンバレーを拠点とするベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパー氏は、エルサルバドルは革新的な政策で成長を続けており、世界で最も魅力的な場所の一つになるかもしれないと述べた。

ドレイパー氏はまた、ポッドキャストチャンネルWeb3 Deep Diveで「ビットコイン投資により、エルサルバドルは今後30〜40年で最も貧しく犯罪率の高い国から、最も富裕で革新的な国の一つになるだろう」と述べた。

ビットコインが10万ドルに達した場合、エルサルバドルは国際通貨基金(IMF)に対する債務を完済できる可能性も。Web3企業Cross Fiのアレクサンダー・ママシディコフCEOも、エルサルバドルの財政的独立は近いと述べている。

ビットコイン投資により、エルサルバドルは国内の最重要課題に集中できる。ビットコインを公式の通貨と認識することで、政府は金融モデルを根底から変革し、独自の道を歩みだした。(Cross FiママシディコフCEO)

エルサルバドル市民はすでに、ビットコインが国の発展に欠かせない重要な資産であることを認識している。クリプトジャーナリストのジョー・ナカモト氏は、ビットコインはエルサルバドルに持続可能性と国際的な影響力をもたらしていると語った。

同国内でビットコイン関連のドキュメンタリーを制作したナカモト氏は、「銀行サービスが不便で、出稼ぎ家族からの仕送りに依存する世帯が多い国において、ビットコインは低コストな国際送金が可能なのが魅力だ」と述べた。

エルサルバドルがBTC非売却にこだわる理由


ブケレ大統領は、政府保有のビットコインを売却しない意向を明確にしている。一方、ナカモト氏はエルサルバドル市民の間でBTCの通貨利用が広まっていると指摘した。

ベルリン、エル・ソンテ、サンサルバドルの一部で実施されている円環経済プロジェクトでは、ビットコイン利用率がドルを上回ることが期待されている(ジョー・ナカモト氏)

ママシディコフCEOによると、エルサルバドルの準備通貨は2021年よりドルからビットコインにシフトした。BTC利用は、エルサルバドルにとって長期的な利益が大きいとの見込みだ。

ママシディコフCEOはさらに、「ビットコインはエルサルバドルにとってデジタルな金資産だ。同国の信頼性を向上させ、国際社会に対して相当な資産を持っていることを誇示している」と述べた。

世界銀行の発表では、エルサルバドルは2019年より貧困率と財政状況が急激に悪化している。BTCへの集中投資には、こうした負のイメージを払拭する意味合いも込められている。ビットコインがどこまで上がるかが話題となるなか、値上げを予測した一手は優れた経済ビジョンがある証だ。

エルサルバドルは現在、経済危機に瀕している。BTCを売却して債務返却に充てないのは、長期的な利益創出が見込めるためだ。ナカモト氏は、エルサルバドルがイニシアチブ変更による信頼低下を恐れ、短期的な利益追及を放棄したと考えている。

ナカモト氏はまた、「ブケレ大統領が国保有のBTCを売却する決定を下した場合、熱心なビットコインコミュニティはエルサルバドルに対する見方を変える可能性がある」と述べた。また、「個人的には関心を引くことではない」としつつも、「ブケレ大統領がBTC長期保有に対する強い意向を示したことは、ある種のシグナルとして受け取ることもできる」とした。

日本でもビットコイン投資熱高まる


ビットコインに対する投資熱が高まっているのは、エルサルバドルに限った話ではない。BTC価格が3月5日に1000万円を突破したことにより、日本でもビットコインに熱い視線が送られている。

日本円建てでの1000万円突破は、史上初めてのこと。BTCの取引開始は2009年。実に25年ぶりの快挙だ。過去の史上最高値は、2021年11月の740万円台。過去3週間は記録ラッシュが続いており、勢いが衰える気配はない。

日経新聞は、英米でのBTC上場投資が背景にあるとした。アメリカでは上場投資信託(ETF)、イギリスでは上場投資証券(ETN)としての認可が審議されており、早ければ24年春にも実現する見通し。

X(旧ツイッター)でもビットコインがトレンド入りしている。春までは価格上昇に歯止めがかからないと見る人が多く、関連銘柄に投資する人も多い。Sponge V2などのミームコインは、BTCに次いで人気が高い。