MakerDAO「最終計画」は専門化したDAOを呼びかけ、プロトコルは複雑さに阻まれると指摘

MakerDAO(MKR)プロトコルを、いくつかの新しい分散型自律組織(DAO)を立ち上げることで「あらかじめ決められた不変の最終状態」に持っていくための詳細な提案が、同プロトコルの創設者Rune Christensenによって発表されました。この計画は、ガバナンスを改善し、「現代の(分散型金融)(DeFi)イノベーションの生の力」を活用することを目的としています。
今週初めにクリステンセンによってMakerDAOフォーラムに投稿されたこの計画の中心的な考え方は、Makerのコアが複雑になりすぎないように、より専門的なタスクを引き受けるMetaDAOと呼ばれる一連の新しいDAOを形成することです。
MakerDAOは、デジタル資産を担保として預けることで、ユーザーがローンを組むことができるスマートコントラクトの融資プロトコルです。ローンは安定コインであるDAIという形で発行されます。
MakerDAOエコシステムで提案されているDAOは、最初は低リスクでコンセプトをテストするために単一のDAOとして作成され、後に異なる分野に特化したDAOがさらに形成される予定です。
現在すでに存在するMakerプロトコルを司るDAOに加え、MetaDAOを作るというのは、MakerDAOのコアの複雑さを増すことなく、より専門性を高めることを可能にするためです。

クリステンセンは、新しいDAOの背後にある考え方を、こう記しています。
「MetaDAOは、各MetaDAOが希望する専門性に集中できるため、他の責任に気を取られることなく、適切に専門化するために必要なリソースと集中力を割くことができ、人材、コミュニティ、ガバナンスプロセスによる深い専門化が可能となります。」
さらに、これは、Makerが「完全にばらばらの大量のカテゴリー」に特化しなければならない現在の状況よりも、「ずっと良い状況」であると彼は述べた。
Makerは今、その「圧倒的で不透明な複雑さ」によって阻まれているとクリステンセンは書き、一方で、その複雑さには正当な理由があるとも指摘します。現在の複雑さは、市場の機会を生かすために必要なものだとクリステンセンは言います。
MetaDAOsを使えば、Makerのエコシステムはその複雑さを「維持し、さらに桁外れに大きな複雑さを採用できる」とクリステンセンは書き、これは「分離されリスクが軽減されたMetaDAOs」で起こるだろうと付け加えました。
このおかげで、Maker Coreは「今日よりもずっとシンプルになり、両者のいいとこ取りをしたような状況になる」可能性があると、この提案は述べています。
MakerDAOのネイティブトークンであるMKRの保有者へのメリットについては、クリステンセンは、新しいMetaDAOはMKR保有者がガバナンスの問題に投票する強いインセンティブを提供するだろうと書いています。また、利回りの向上や、プロトコル上のMKRの長期ロックアップのために、より多くのDAIトークンを生成する可能性という点でもメリットがあるでしょう。
クリステンセンによれば、DAI保有者にとっても、この提案は、安定コインを支える担保がより強固で分散化されるという形でメリットをもたらすといいます。さらに彼は、このシステムの設計により、DAIは「ETHとETHベースの暗号資産を取引するための最良の選択肢」となるだろうと付け加えました。
最後に、クリステンセンは、彼のエンドゲームプランを「自己完結型のロードマップ」として捉えており、「丘の上から放たれる雪だるま」のように機能するように設計されていると説明しました。
MakerDAOの創設者は、6,000字を超える彼の計画を、こう書いて締めくくりました。
「速度が上がり始め、MetaDAOsが作成されると、MetaDAOsを動かすインセンティブは、Maker Coreが明確に定義された、強力だがシンプルな機能を持つ、あらかじめ決められた最終状態を構築する方向に彼らを導くでしょう[…]。」
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詳しくはこちら:
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