IRS、FTXに240億ドルの税金請求で壊滅的打撃、仮想通貨取引所は反発

yamada
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IRS、FTXに240億ドルの税金請求で壊滅的打撃

画像引用先:Michael O’Keene, Adobe Stock

FTXの債務者らによる11月30日の提出書類によると、11月初旬に提出された240億ドルのIRSの税金請求は「完全に根拠のないもの」として、FTXは現在破産裁判所に請求の却下を求めています。

サム・バンクマン・フリード氏のFTXは、先月IRSが驚くべき税金請求を提出したことで破産手続きで大きな後退に見舞われました。このことは、資金を回収して顧客に払い戻そうとしている同取引所にとって、乗り越えることのできない障害となる可能性があります。

FTX、IRSの納税請求は“根拠のないもの”と主張し、却下を求める申し立てを提出


FTXは、IRSがFTXの財務状況を考慮に入れた上で、そのような莫大な税金請求を正当化するための事実または法的な根拠を提供していないと主張しました。

また、提出された書類には、継続的な議論や度重なる要請にもかかわらず、IRSがFTXの推定収益と負債を大幅に超える納税請求の根拠を裏付けしていないと述べられています。そして、FTXは債務者31名に対する、現在合計47件に上る個別請求を含むIRSの請求が推測的であり、顧客への返金努力を無期限に阻害する恐れがあると主張しています。

FTXに対するIRSの税金請求の規模は、IRSが課した史上最大規模のものであり、このことはFTXによる緊急の法的措置を促しています。そして、FTXは約240億ドルという予期せぬ税金請求は、2022年11月に衝撃的な崩壊をしたFTXに影響を受けた、顧客や債権者への資金回復という目標に重大な影響を与える可能性があると主張しています。

アナリストによると、IRSの税金請求は、棄却あるいは大幅な減額が実行されないならば、FTXの破産手続きを完全に頓挫させる可能性があるといいます。また、一部の専門家は、この請求は取引所再建の希望に対する致命的な打撃となる可能性があるとみており、IRSの訴訟の規模を考慮すると、FTXがそもそも運営を継続できるのか否かについて疑問を抱いています。

FTX、1,100件を超えるIRSからの情報要求に応じる


IRSの請求を棄却するための申し立てにおいて、FTXはIRSの情報要求に応じるために熱心な動きを見せ、IRSの監査チームによる1,100件以上の要求に応えてきたことを明らかにしました。また、FTXは税金請求の正確性を確認し、透明性を提供するためにIRSに広範な文書を提供したと述べています。

一方で、FTXはIRSの計算を裏付ける詳細を入手しようと繰り返し努力しましたが、 IRSは指摘された異常な納税義務の事実的根拠を提供しなかったと報告されています。さらに、FTXはIRSからの実証がなかったことは、その主張が誤りであり、誇張されたものであることを示していると主張しました。

FTXに対するIRSの措置は、FTXの崩壊後もまだ完全に回復しておらず、動揺の最中にある仮想通貨業界にさらなる不確実性を与えています。そして、同取引所の破産手続きは、仮想通貨投資家の揺らいだ信頼を回復することを計画していましたが、IRSからの巨額の税金請求がFTXの再建計画にさらなる複雑さをもたらしています。

FTXが壊滅的な経営破綻の余波で厳しい法廷闘争を続ける中、根拠がなく過剰であると見なすIRSの請求に異議を唱える準備を進めています。約240億ドル相当の税金請求の棄却を求めるFTXの申し立ての結果によっては、同取引所が破産更生を進めることができるか、それとも米国税務当局とのトラブルで永久に頓挫するかが決まるかもしれません。