スウェーデンでの武装強盗事件を受けてノルウェー警察が暗号資産所有者に警告

 

ノルウェーの警察は、暗号資産の所有者に対し、マルチシグネチャ（multisig）や警報システムなど、自らの安全を確保するための対策を講じるよう警告を発しました。この警告は、4月下旬にスウェーデンでカップルが暴行を受け、「かなりの」金額に相当する暗号資産を渡すよう強要されたことを受けて出されたものです。

事件は4月21日、スウェーデンの都市ノールショーピングで発生しました。地元紙Aftonbladetによると、夫婦がベッドで寝ていたところ、武装した見知らぬ男たちが家に押し入り、夫婦を縛り上げ、不特定の暗号通貨を強盗に送金するよう強要したといいます。

夫婦は強盗の結果、怪我を負い、何とか警察に通報した後、病院に運ばれたことが確認されています。

警察の広報担当者によると、強盗は明らかに事前に計画されており、強盗団は被害者が重要な暗号資産にアクセスできることを認識していたとのことです。「これは偶然の一致ではない」と同報道官はAftonbladetに語りました。

暗号資産業界では「5ドルレンチ攻撃」と呼ばれるこの種の攻撃は、近年ますます一般的になってきています。そして、北欧諸国でこの傾向が広がらないようにするため、隣国ノルウェーの警察は先週末、同国の暗号資産所有者に警告を発しました。

「暗号通貨は世界のどこにでも素早く送金することができ、安全に保管することは困難です。また、我々警察にとっても、送金を止めたり、収益を押収したりすることは非常に困難です」と、ノルウェー警察庁の金融犯罪担当部署の特別捜査官Ola Vassliは、土曜日に地元放送局E24に語っています。

また、暗号資産は簡単に送金できるため、例えば不動産や株式、銀行預金などの形で財産を保有している人よりも、暗号資産で多額の財産を保有している人の方が強盗に遭いやすいとも述べています。

特別捜査官は、暗号資産で財産を保有している人は、自分自身の安全を確保するための措置を講じるべきだと提案しました。その対策として、自宅を鍵や警報システムで十分に安全にしておくことを提案しました。

さらに、暗号資産の所有者は、ソーシャルメディアで共有する内容に注意する必要があると述べました。Vassli氏はまた、マルチシグウォレットの使用などのソリューションが有効であると述べましたが、マルチシグウォレットだけでは、少なくとも強盗の試みを防ぐには不十分であると警告しています。

「このような対策をとっている人ととっていない人を犯罪者が見分けられる保証はありません」と特捜部長は警告しています。
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