USDCステーブルコインのデペギングは多くの仮想通貨会社を倒産させるかもしれないが、Bitcoinはより強くなるだろう

Gary McFarlane
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高層ビルと棒グラフ

USDCステーブルコインはデペギングして、1ドルのペッグから大きく外れて驚くべき速度で0.89ドルまで下落しています。

シリコンバレー銀行の破綻でパニックに陥り、週末も不安定な状況は続くと予想されます。

SVBの破綻は、Circleが発行するUSDCの資金繰りに打撃を与えています。

USDCステーブルコインの裏にあるコンソーシアムのメンバーには、アメリカ最大の取引所であるCoinbaseが含まれています。月曜日の市場が開くと、Coinbaseの株価が圧力を受ける可能性があります。

USDCステーブルコインの価格チャート

Circleは昨夜のツイートで、USDCが準備金の4分の1をシルバーゲートやSVBを含む7つの銀行パートナーで保有する現金で持っていることを報告しました。USDCはSVBで33億ドルを凍結しています。

USDCの残りの準備金は、BNY Mellon Bankで保有する米国短期国債のマネーマーケット・ファンドに預けられています。

残念なことに、USDCの預金者(そのほとんどがテック系スタートアップやVC)にとって、保証の対象が最初の25万ドルに限られるため、資金の大部分は連邦預金保険協会(FDIC)による保険が適用されません。

カリフォルニア州金融保護革新局は、木曜日に預金者が450億ドルもの金額を引き出そうとして銀行への取り付けを開始した後、SVBを管理し、FDICを受取人としたのです。

USDCは仮想通貨エコシステムで2番目に大きなステーブルコインであり、業界の一部として欠かせない存在です。

SVBはどのようにして壊滅したのか – 次はどの銀行?


SVBが苦境に立たされたのは、長期保有する米国債を赤字で売却せざるを得なくなったときからです。

SVBは顧客からの預金をもとに、満期まで保有することで少額ながら確実なリターンが期待できる長期の米国国債を購入していました。これは、現代の銀行を支えるフラクショナルバンキングモデルでは一般的な手法です。

しかし、預金の引き出しに対応するために、SVBはその債券を損失覚悟で売却しなければならなかったのです。FRBが金利を上げるということは、債券の価値が下がるということであり、債券の利回りと価格は逆相関の関係にあります。

つまり、SVBの資産の価値は、購入した金額よりも低くなってしまったのです。結局、18億ドルの損失となりました

通常であれば、満期まで保有するため問題ないのですが、強制的に売却された場合、その含み損が現実となってしまうのです。

この損失をカバーするため、また将来予想される損失をカバーするため、SVBは株式の発行を決定しました。

その時、預金者の間で警鐘が鳴り響いたのです。

SVBの預金総額は1,754億ドルで、そのうち預金の85%である1,510億ドルが無保険なのです。

Peter Thiel氏のFounders Fundは預金者に撤退を勧めたが、これがSVBにとどめを刺しました。

銀行システムの脆弱性から、価値貯蔵としてのビットコインの必要性を説く


銀行システムにとって心配なのは、FDICの以下のグラフが示すように、バランスシートにこの種の含み損を抱えているのはSVBだけではないことです。

FDICのグラフ

 

他の銀行が空売りのターゲットになり、預金者が神経質になり始める可能性があります。

カリフォルニアに本社を置くFirst Republic Bankは、富裕層の顧客を対象としており、金曜日には15%も株価が下落しました。他の地方銀行も圧力を受けています。

銀行システムの脆弱性は、資本力のある大手銀行には影響を及ぼさないかもしれないが、シルバーゲートやSVBに見られるように、中小の金融機関に関しては、規制当局が注視していないのかもしれません。

今はまだ実感がわかないかもしれませんが、今回の出来事は、ビットコインの価値貯蔵としての確かな事例を示しています。

シリコンバレー銀行破綻のニュースでビットコインの価格が暴落しないのは、その前のシルバーゲートのニュースで十分売り手が出たからかもしれませんが、そのせいかもしれません。

それでも、過去24時間のビットコイン価格はよく持ちこたえていますが、市場に参加している人は今後さらにボラティリティが高まることが予想できます。

ビットコインは目先の底値から64%上昇し、今のところ20%しか引き戻していません。

この時点で、トレーダーはビットコインが米ドルよりも安定したコインであると考えるのも無理はないかもしれません。

また、ビットコインホルダーにとって、16,000ドル台周辺の出来高プロファイルのコントロールライン(赤線)に巨大なサポート領域があることも安心材料になるでしょう。

ビットコイン価格チャート

USDCとDAIがピンチ – どのトップステーブルコインが危険なのか?


トレーダーと仮想通貨会社は、SVBに対するUSDCのリザーブエクスポージャーのニュースに反応し、ステーブルコインのポジションを終了し、テザー(USDT)に移行しました。

USDTは元祖ステーブルコインですが、その準備金に対して徹底した監査を実施したことはないです。それでも現在はUSDCよりも安全だと考えられています。

買い圧力の結果、Tetherは現在、1.01ドルと評価され、ペッグからプラス方向に移動しています。

Paxosを発行するGemini、BUSDを発行するBinanceなど、他のステーブルコインの発行元は、SVBのエクスポージャーはないとの声明を急いで発表しました。

TetherのCTOのPaolo Ardoino氏は、USDTにはSVBのエクスポージャーがないとの声明を発表しました。

USDCの崩壊は、仮想通貨業界に広範囲な影響を与え、仮想通貨の冬を氷河期の危機に変える可能性があります。

分散型取引所Curveでは、3Poolステーブルコインプールが乱高下しています。DAI、USDC、USDTはほぼ同じ割合で保有されていますが、それは通常時の場合です。

現在、USDTは約6%しかなく、USDCとDAIはそれぞれプールの40%以上を占めています。

DAIはUSDCにかなり担保されており、また、現時点ではデペッグされていて1ドルではなく0.90ドルで取引されています。DAIは4番目に大きなステーブルコインです。

イーサリアムのガス代が高騰


仮想通貨危機における、最近の展開のもう一つの直接的な結果は、イーサリアムのガス代が300Gwei以上に急騰したことです

これはイーサリアム・ブロックチェーン上の取引コストに相当し、一時期は資金移動のためにUniswapユーザーは平均90ドルの支払いが必要でした。

本稿執筆時点の平均Gweiは83ですが、アメリカの土曜セッションが始まると再び急騰する可能性があります。

様々な過疎通貨会社がSVBの影響から身を守るために資金の再配置を試みていて、イーサリアムチェーンは混雑しています。

あるトレーダーは200万ドルを支払って0.05ドルUSDTを受け取りました


流動性プールにステークしていたトレーダーは撤退しようとしたが、スリッページ(株式でいう指値注文のようなもの)を設定しなかったため、市場が混乱してしまいました。

その結果、トレーダーはいわゆる最大抽出可能価値(Maximal Extractable Value)ボットの犠牲となりました。この取引では、0.05ドルのUSDTを受け取るために2,080,468.85ドルのコストがかかることになりました。

USDCを今日買えば、大儲けできるかもしれないし、すべてを失うかもしれない


ハイオク・リスクを恐れない人なら、莫大なお金を手にすることができるかもしれません。

アービトラージ(裁定取引)をする人は、米ドルをデペッグした状態で購入し、月曜日に1ドルで換金して差額を手に入れることができるかもしれません。

しかし、SVBの無保険預金(USDCの償還準備金もその一部)に対してFDICがどう動くかは誰にも分からないので、もちろんそれは非常にリスキーです。

テック系スタートアップやベンチャーキャピタルからの預金が多く、多様性に欠ける預金基盤の構築に全力を注いだ銀行を、税金で救済する必要はない、という意見もあるでしょう。

Curve Financeの創設者であるMichael Egorov氏は、Bloombergへのコメントで、すべてはうまくいくだろうと述べているが、彼ならそう言うでしょう。

「週末はUSDCの償還が機能しないので、USDCの価格が大きく変動すると思います。銀行は週末に仕事をしないのです。」

「しかし、月曜日に償還が始まれば状況は良くなるかもしれない。一部のトレーダーは安いUSDCを買い、USDに1:1で償還するだろう。」と楽観的に付け加えました。

SVBを買うのは誰か?イーロン・マスクか?


月曜日の市場参加者は、FDICが無保険預金の問題をどのように処理するつもりなのかに注目していることでしょう。その上で、銀行の買い手が見つかるかどうかが注目されます。

しかし、大手銀行は、不確実性の高い時期にSVBと関わることを警戒しているのかもしれません。

イーロン・マスクは、遊び心からか、この銀行の買収に興味があるかもしれないとほのめかしました。