経営難に陥った仮想通貨会社の元CEOが新しいステーブルコインを作成 – その仕組みは？
出典：Adobe / MaxFrost
Babel Financeの元CEO兼創設者であるFlex Yang氏は、仮想通貨ネイティブの埋蔵量に裏打ちされた新しい分散型ステーブルコインと、それを中心に構築されたDeFiエコシステムを発表しました。
HOPEステーブルコインは中央集権型金融（CeFi）、分散型金融（DeFi）、伝統的金融（TradFi）をブレンドし、他のいわゆる分散型ステーブルコインに欠けていた透明性と安全性を実現するとYang氏は、主張し、TechCrunchとのインタビューで次のように述べています。
具体的には、HOPEステーブルコインはビットコインとイーサリアムの埋蔵量に裏打ちされ、マーケットメーカーや裁定取引業者に依存し、新しくミントされたステーブルコインの需要が多いときにはプレミアムでトークンを売り、需要が少なくトークンを燃やすときには割引価格で買うことによってドルペッグを維持しようとするものです。
Hopeは人気のDeFiステーブルコインDaiの発行元であるMakerDAOに匹敵するが、「一連の機能性が追加されている 」とYang氏は述べています。例えば、Hopeのプロトコルの1つであるHopeConnectは、DeFiの決済・清算アプリケーションで、ユーザーはCeFiプラットフォームに資産を預けることなく、主要取引所間でデリバティブ取引を行うことができます。
「つまり、DeFiにCEXの取引体験をもたらしながら、CEXのカストディもユーザーの信用リスクもないのです。ユーザーは匿名かつ分散化された方法でCEXの流動性にアクセスすることができます。」
ステーブルコインHopeは、崩壊したステーブルコインTerraUSDを思い起こす人もいるかもしれないが、いくつかの具体的な違いがあります。一つは、TerraUSDは、独自のパートナートークンであるLUNAを用いた裁定システムに依存する純粋なアルゴリズム型ステーブルコインであったことです。一方、HopeはCeFiのいくつかの要素を活用する予定です。
著名な投資家の中には、このステーブルコインへの支持を表明している人もいます。さらに、Yang氏は、Hopeエコシステムの資金調達のために個人で1000万ドルを投資することを容認したと言われています。
一方、Hopeエコシステムで構築された最初のDeFiプロジェクトは、ユーザーがプラットフォーム上でHOPEを購入できるようにするためのオンランプとして機能するHopeSwapになります。イーサリアム・ブロックチェーン上に構築されたこのスワップ・プロトコルは、「自動化マーケットメーカー（AMM）」システムを使用し、流動性の提供に貢献します。
HopeConnectの次は、複数の流動性プールを持つノンカストディアル融資プラットフォームHopeLend、合成資産取引所HopeEcho、Hopeエコシステム上で開発されたサードパーティ製DeFiアプリケーションなど、他のアプリケーションを予定しています。
Babel Financeは、主要なクリプトレンディングプラットフォームでした。Sequoia Capital China、Tiger Global、Dragonfly Capitalなど、中国に特化した著名な投資家の支援を受け、中国でスタートしました。その後、シンガポールに進出し、現在は本社を構えています。
しかし、Babel Financeは昨年6月、Terraのエコシステムが壊滅的に崩壊した影響を受けました。その後、Celsius NetworkとVoyager Digitalが同様の動きを見せたことから、この金融機関は撤退を停止する決定を発表しました。
今月初め、Bloombergは、Babel Financeが仮想通貨に裏打ちされたステーブルコインを通じて資金を調達する新しい計画に取り組んでいると報じました。当時、この報道では、提案されている新しいステーブルコインはBabel Recovery Coinと呼ばれているとしています。
この報道について、Yang氏は、HOPEはBabelによってステークされるが、債権者に直接返済することはないと述べました。その代わり、債権者はBabel Recovery Coin (BRC)を受け取ることになります。
Yang氏によると、元Babelのスタッフで構成されるHopeのチームは、4年間の権利確定スケジュールで30％のレバレッジトークン（LT）を受け取ることになります。チームは、Hopeの分散型自律組織（DAO）を管理するために、すべてのLTを投票用エスクロー・トークン（veLTs）にロックする予定です。
