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仮想通貨エコシステム、7月に416億円の損失

Eiji M.
Eiji M. | 監修: Naoki Saito
| 1 min read
ハッカーのイメージ図

セキュリティサービスプラットフォームのImmunefiは30日、2024年7月の暗号資産(仮想通貨)エコシステムにおけるハッキング被害が約2億6950万ドル(約416億円)に達したと報告した。これは14件の特定のハッキングおよび詐欺事件による損失の合計で、前月比90%増となっている。

CeFiの単一ハックが全体の87%を占める


今回の被害で特筆すべきは、中央集権型金融(CeFi)における単一のハッキング事件が全体の87%を占めたことだ。CeFiとは、取引所やレンディングプラットフォームなど、中央管理者が存在する仮想通貨サービスを指す。

7月の被害額の大半は、わずか2つのプロジェクトによるものだ。最大の被害を受けたのはインドの仮想通貨取引所WazirXで、ハッキングにより2億3500万ドル(約363億円)を失った。この1件だけで、7月の全被害額の87%を占めている。

immunefiによるグラフ
Source: Immunefi

一方、主要なブロックチェーンやプロトコル間のスワップとブリッジを行うプラットフォームであるLI.FIプロトコルも、セキュリティ侵害により1000万ドル(約15億4460万円)の損失を被った。

北朝鮮のハッカー集団「Lazarus」が再び活発化


注目すべきは、北朝鮮政府と関連があるとされるハッカー集団「Lazarus」の活動が再び活発化していることだ。WazirXへのハッキングはこのグループによるものとみられている。

Lazarusは、Atomic Wallet、CoinEx、Alphapo、Stake、CoinsPaidなど、仮想通貨エコシステム内での最大級の攻撃に関与してきたとされる。5月に発生したDMM Bitcoinへのハッキングもこのグループによるものとされ、7月に入って盗まれた資金のロンダリングが始まったという。

イーサリアムとBNBチェーンが主要ターゲットに


7月の攻撃対象となったブロックチェーンの中で、イーサリアム(ETH)とBNBチェーンが最も多く狙われ、全体の損失の71.4%を占めた。イーサリアムは7件の攻撃を受け、対象チェーン全体の損失の50%を占めた。一方、BNBチェーンは3件の攻撃を受け、損失全体の21.4%を占めた。

Immunefiによるグラフ
Source: Immunefi

個人投資家ができる対策は?


このような状況下で、個人投資家ができる対策としては以下が挙げられる。

  • 信頼できる仮想通貨取引所を利用する
  • 二段階認証を必ず設定する
  • 長期保有する資産はハードウェアウォレットに移す
  • 定期的にセキュリティ設定を見直す
  • 不審なリンクやメールに注意する

仮想通貨市場の成長に伴い、ハッキングのリスクも高まっている。投資家は自身の資産を守るためにも、常に最新のセキュリティ対策を心がける必要がある。