Thetaは、分散型の動画配信プラットフォームを主軸とした暗号資産(仮想通貨)です。課金なしで高品質の動画視聴を可能にするとして、公式サイト(THETA.tv)の開発を推し進めています。ネットワークスピードの決定にトークンを用いるなど、従来のサービスにはない革新的な機能を多数搭載しています。P2Pモデルにより、リターンが大きく公平な報酬分配システムがあるのも特徴です。
シータとは?
シータとは、動画配信を主な目的とする仮想通貨プラットフォームです。分散型のライブストリームを可能にするとして、当初より暗号資産ファンから大きな注目を集めてきました。
動画配信にブロックチェーン技術を組み込むことで、効率的な帯域幅の共有と利益還元が可能とされています。THETAコインは同プラットフォームの原動力で、投資の観点からも多数の投資家に保有されている有力通貨のひとつです。
高品質かつスムーズな動画配信を提供するとしており、既存のコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)の問題点を解決することを目標としています。トークン報酬を軸としたピアツーピア(P2P)ネットワークを構築することで、インフラ整備が不十分な地域でも快適な動画再生が可能なのがポイントです。
このことは、将来訪れるであろう4K・8K動画配信に備えると言う意味でも有意義だと言えます。また、仮想現実(VR)の需要が日増しに高まる中、高画質かつ途切れない動画配信が可能なことは優位性が高いとも言えます。
コスト増大という問題に対応するため、シータはインフラ整備・管理の費用をブロックチェーン利用者全体に分散させるという仕組みを採用しています。サブスクリプション型の収益確保システムを構築することで、コンテンツ作成者に十分な利益還元を可能としているのが売りです。
P2Pモデルは、コンテンツ作成とイノベーションを加速させる手段としても優れています。中央集権型の競合プラットフォームと差別化を図ることで、YouTubeなどの大手サイトに対して常に一定の需要が見込めるのが強みです。
仲介業者が存在しないことは、コンテンツ作成者により多くの報酬を還元できることを意味します。これにより、長らく問題とされてきたプラットフォームとユーザー間の不均衡を解消できるのが最大の長所です。
シータ(THETA)の仕組み
シータは、ノード間の相互通信が可能なメッシュネットワークを基幹としています。ノード間の接続はTHETAの帯域幅共有システムの根幹を成しており、既存のプラットフォームとの最大の違いでもあります。
P2P通信はネットワークのパフォーマンス改善が期待でき、ユーザー間でリソースを共有することで公平なUX(ユーザーエクスペリエンス)が実現可能です。各ノードは動画データを一時保存する「キャッシュノード」の役割を果たし、ユーザー間での不均衡を改善するのに役立ちます。
従来の仕組みと異なり、各所にデータセンターを設置する必要がないというメリットがあります。動画配信の品質が居住地に依存しないのは、シータ最大の利点だと言えるでしょう。プラットフォームの運営コストが最大80%削減されるとしており、差分の大半が利用者に直接還元されるのが売りです。
シータ(THETA)の安全性
シータは、効率的な動画配信だけでなく安全性の面でも既存のプラットフォームを上回っています。中央集権モデルは局所的なサイバー攻撃に弱いとされており、THETAの分散モデルはセキュリティの脆弱性を補完できるのが売りです。
ハッキングに対する耐性が高いことは、個人だけでなく企業などの組織団体にとってもメリットが大きいと言えます。膨大なデータを管理する機構はTHETAの採用に前向きとも言われており、シータが安全性で優れていることを裏付けているとも言えます。
ただし、シータには個々のノードを保護する仕組みがありません。P2P通信には常に一定のリスクが存在するため、この点を嫌ってユーザー離れが起きる可能性も存在します。この問題を事前に解決するためTHETAはサーバーベースおよびクライアントベースのシステム構築に取り組むとしています。
これは、ピアがネットワークに接続した時点でIPアドレス、緯度・経度、パフォーマンス指標などのデータを記録するものです。シータの安全性向上に寄与するほか、ネットワーク内で最も近いノードを検出するのにも役立つとされています。
シータ(THETA)ブロックチェーン
シータネットワークはコンテンツ配信に焦点を当てたものですが、THETAブロックチェーンはプラットフォーム上の合意メカニズムを中核とするものです。報酬分配を可能とするため、バックグラウンドで機能するインフラとしての役割を果たします。
膨大なデータを高速で処理する動画配信システムとは異なり、シータブロックチェーンはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を基軸としたものです。また、通常のPoSとは異なり、最適化のために次の3つの技術が組み込まれています。
- Multi-level Byzantine Fault Tolerance(マルチレベル・ビザンティン・フォールト・トレランス)
- Aggregated Signature Gossip Scheme(集計シグネチャー・ゴシップ・スキーム)
- Resource Oriented Micropayment Pool(リソース指向マイクロペイメントプール)
こうした革新的な仕組みは、THETAが抱えるスケーラビリティという問題に対処するために設計されたものです。ネットワークを正常に運用し、ピアノードを管理するのに不可欠とも言われています。
独創的な仕組みを多数有するのは、分散型機構により多数のマイクロペイメントが発生することに起因します。各ノードのリクエストを迅速に処理することで、帯域幅共有に対する報酬提供を滞りなく実行できるのが売りです。
シータブロックチェーンは、THETAベースのアプリケーションにインフラを提供する役割も果たします。最大スループットは1,000TPSで、データ送受信や購入処理を迅速に行う機能を有しています。
マルチレベルBFT
Thetaブロックチェーンの高いスループットは、マルチレベルのBFT(ビゼンティン・フォールト・トレランス)によるものです。BFTは二層の仕組みで効率的なデータ処理を可能としており、最初のレイヤーは合意プロトコルを実行する小規模なノードグループで構成されています。最大20の検証ノードにより、高速なブロックチェーン生成を可能としています。
2番目のレイヤーは、あらかじめ定義されたポイントで検証を行う「ガーディアン」ノードで構成されています。マルチレベルのデータ処理により、シータは高いスループットで分散的なコンテンツ配信を実現しています。
シータ(THETA)のメッセージ・支払い機能
シータはメッセージ機能を有しており、Aggregated Signature Gossip Scheme(集計シグネチャー・ゴシップ・スキーム)という仕組みにより高効率を実現しています。最も近くのノードにのみシグネチャーを送信することで、通信量過多を無くして輻輳を減らせるのが特徴です。
また、ゴシッププロトコルによりシグネチャーをネットワーク上で均等に分布させることもできます。メッセージのサイズを削減し、ノード間効率を向上させることで、スループットとスケーリング能力の向上を図っています。
シータブロックチェーンの支払い機能は、リソース共有の見返りとしてTHETAトークンで報酬を提供するという仕組みを有しています。額の大きな少数の取引プールを設け、支払いプロセスを最適化しているのが特徴です。
この仕組みは「リソース指向マイクロペイメントプール」と呼ばれており、極めて高効率なマイクロトランザクションを可能としています。
まとめ
シータは、効率化により高額な報酬還元を実現するプラットフォームです。動画配信に仮想通貨のブロックチェーン技術を取り入れることで、既存の問題点に対するソリューションを提供しています。こうした優位性が認知されるにつれ、THETAトークンの採用と普及が進んでいくと言って良いでしょう。